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「億万長者になれる」と噂された謎の仮想通貨、上場の真実
2025年2月20日、数年の期待と憶測の末、ついにパイネットワーク(Pi Network)が正式に上場しました。あなたはスマホを開くだけで「採掘」できる不思議な暗号資産の噂を聞いたことがありませんか?何もせずタップするだけでお金が増える——そんな夢のような話が本当だとしたら?
「ビットコイン以上の価値になる」「上場したら1PIが100万円になる」「今のうちに集めておけば大金持ちになれる」
SNSやYouTubeでは、こんな甘い言葉が飛び交い、何百万人もの人々がスマホで毎日ボタンをタップし続けてきました。しかし、その実態はどうなのでしょうか?多くの疑問符と期待が渦巻く中、ついに明らかになったパイネットワークの真実と、私たちが知るべきことをお伝えします。
上場までの長い道のり:なぜこれほど時間がかかったのか?

パイネットワーク(Pi Network)プロジェクトは2019年3月14日(πの日)に始動しました。スタンフォード大学の博士たちが立ち上げたと称するこのプロジェクトは、「誰でも参加できる暗号通貨」というビジョンを掲げ、スマホアプリを通じて簡単に「マイニング(採掘)」できるという画期的なシステムを提唱しました。
しかし、他の多くの暗号資産が数ヶ月から1年程度で上場するのに対し、パイネットワークは6年近くの「準備期間」を要しました。なぜこれほど長い時間がかかったのでしょう?
パイネットワーク開発の主な節目
- 2019年3月 – プロジェクト開始。スマホアプリでの「採掘」機能の提供開始
- 2020年 – ユーザー数が1000万人を突破と発表
- 2021年 – テストネット(試験的なネットワーク)の運用開始
- 2022-2024年 – クローズドメインネットと呼ばれる限定的な環境での運用
- 2025年2月20日 – オープンメインネットの開始と複数取引所(Bitget、OKX、MEXCなど)での上場
この長い準備期間において、開発チームは「コミュニティの成長」「セキュリティの確保」「規制対応」などを理由に挙げてきましたが、多くの暗号資産専門家からは疑問の声が上がっていました。
「なぜブロックチェーンの基本情報すら公開されないのか?」
「なぜ技術的な検証ができない状態が続くのか?」
「なぜ上場時期が何度も延期されるのか?」
こうした疑問に対し、パイネットワークのコミュニティでは「大規模な準備が必要」「革新的な技術だから時間がかかる」という説明が繰り返されてきました。
しかし、この「待たされ続ける」状況が、ポンジスキーム(新規参加者のお金で古参参加者に利益を還元する詐欺的な投資スキーム)の特徴と類似していると指摘する声も少なくありませんでした。
驚愕の上場初日:314ドルの真相とは?
2025年2月20日、ついにパイネットワークは複数の取引所で取引が開始されました。初日の取引開始価格は約2ドル(約270円)でした。これだけでも、無料でタップするだけで獲得できていたトークンが実際に価値を持ったことになり、多くの参加者にとって喜ばしいニュースでした。
しかし、その後起こったことで市場は混乱に陥ります。
取引開始からわずか数時間で、価格は314.96ドル(約42,500円)という信じられない高値を記録したのです。SNSでは「1PIが数百万円になる」という以前からの予言が「当たった」と熱狂する声が広がりました。
けれども、この急騰の裏には重要な事実がありました。
- 流動性の極端な低さ – 実際に取引可能なトークン数が非常に限られていた
- 取引制限 – 多くのユーザーはまだKYC(本人確認)が完了していないため売却できなかった
- 一部取引所での異常値 – 全ての取引所で同じ価格になっていたわけではなかった
この高値は一時的なものであり、安定した市場価格を反映したものではありませんでした。上場翌日には価格が大幅に下落し、より現実的な水準に落ち着きつつあります。
この価格変動が示すのは、パイネットワークが抱える根本的な問題です。ユーザー数は数千万人と言われていますが、実際に取引可能なトークン量や流動性は極めて限られており、一部の早期参加者による売却で価格が大きく変動する状況にあります。
「ビットコイン超える」は現実的か?数字で見る厳しい

SNSやコミュニティで長年囁かれてきた「パイがビットコインを超える」という予測。これは現実的な見通しなのでしょうか?今回の上場を機に、客観的な数字で検証してみましょう。
市場価値(時価総額)の比較
- ビットコイン時価総額:約1兆ドル(約135兆円)
- パイネットワーク時価総額:約2ドルのトークン価格を基準に計算すると、理論上の総発行量から約2000億ドル(約27兆円)
一見すると「ビットコインの20%程度の規模」となり、将来的に追いつく可能性もあるように思えます。しかし、この計算には重大な問題があります。
- 流通量と発行量の乖離 – パイネットワークでは、全発行量のうち実際に流通しているのはごく一部です
- 価値の裏付けの差 – ビットコインには14年以上の実績と世界中の取引所での流動性があります
- 時価総額の計算方法 – 限られた流通量で計算された価格を全発行量に掛けると、実態とかけ離れた計算になります
実際の市場での評価は、「理論上の時価総額」よりもはるかに厳しいものになる可能性が高いのです。
技術的な比較
パイネットワークが「ビットコインを超える」と言われる根拠の一つに、技術的優位性が挙げられることがあります。主な主張は以下の通りです。
- 省エネルギー – スマホのタップだけで採掘できるため、ビットコインのような大量の電力を消費しない
- 高速処理 – 従来の暗号資産より高速な取引処理が可能
- スマホ対応 – 専用機器なしでマイニングできる
しかし、これらの主張には技術的な疑問が残ります。
- スマホでのタップは実際には「マイニング」ではなく、単なるトークン配布システムである
- パイネットワークの実際のブロックチェーン技術の詳細が不透明
- ネットワークの安全性や分散性の検証が不十分
つまり、技術的優位性を主張するための具体的なデータや検証可能な情報が不足しているのです。
なぜ多くの人が騙される?パイネットワークの魅力は?
これだけの疑問点がありながら、なぜ世界中で6000万人以上と言われる人々がパイネットワークに参加したのでしょうか?その心理的背景には、いくつかの要素が絡み合っています。
1. FOMO(Fear Of Missing Out)効果
「乗り遅れる恐怖」は投資行動を強く動機づける心理です。「初期のビットコインを逃した」と後悔している人々にとって、「次のビットコイン」になる可能性のあるプロジェクトは強い魅力を持ちます。
2. ローリスク・ハイリターンの錯覚
パイネットワークの最も強力な誘因は「リスクがほとんどない」という認識です。スマホでタップするだけで、お金を投資する必要がなく、将来大きな利益を得られる可能性があるという構図は非常に魅力的でした。
3. コミュニティと社会的証明
「友達の紹介がないと参加できない」というシステムは、信頼できる人からの推薦という形で社会的証明を提供しました。また、数千万人が参加しているという事実そのものが「これだけの人が信じているなら正しいはずだ」という思い込みを強化します。
4. シンプルさと理解しやすさ
複雑な技術的解説や難解な投資知識がなくても、「アプリを開いてボタンをタップするだけ」という単純な行為で参加できる手軽さは、暗号資産に詳しくない一般の人々を引き付ける大きな要因でした。
技術的な詳細や市場の現実よりも、これらの心理的要因が多くの人々を引きつけ、長期間にわたって期待を持たせることに成功したのです。
今後のパイネットワーク:可能性と課題
上場を果たしたパイネットワークには、今後どのような展開が待っているのでしょうか?可能性と課題の両面から考えてみましょう。
可能性
- 実用化の進展 – 今後、エコシステムの実用性が拡大すれば、トークンの価値向上につながる可能性があります。
- ユーザー基盤の活性化 – 6000万人以上と言われるユーザー基盤を活かした実際のサービス展開が進めば、他の暗号資産にはない強みになるでしょう。
- 教育的価値 – 暗号資産に触れる初めての経験としての役割を果たし、より多くの人々をブロックチェーン技術の世界に導く入り口になる可能性があります。
課題
- 流動性と価格安定性 – 上場後の価格は取引量や実需に大きく依存しており、特にKYC(本人確認)を完了したユーザーの取引参加が市場の安定性に影響します。
- 信頼性の回復 – 長期にわたる上場延期や情報開示の不足による不信感を払拭するには、透明性の高い運営が求められます。
- 技術的検証 – 実際のブロックチェーン技術やセキュリティ対策についての第三者による検証が必要です。
- 規制対応 – 各国の仮想通貨規制に適切に対応できるかどうかが、今後の展開の鍵を握ります。
今後はユーザーの取引参加状況やエコシステムの実用化の進展が、パイネットワークの将来を左右する重要な要素となるでしょう。
パイネットワークとどう向き合うべきか?投資判断のための5つのポイント

パイネットワークの上場を受けて、保有者や投資を検討している方々はどのように判断すればよいのでしょうか?以下の5つのポイントを参考にしてください。
1. 冷静な情報収集を
SNSやYouTubeでの情報には、過度に楽観的な予測や根拠のない噂が多く含まれています。複数の信頼できる情報源から事実を確認し、冷静に判断することが重要です。特に「必ず〇〇円になる」といった断言には注意しましょう。
2. リスク管理を徹底する
「無料で得たから損はない」という考え方は危険です。売却のタイミングや税金の問題、今後の価格変動リスクなど、総合的に考えることが必要です。決して手放せない資金を新たに投資することは避けましょう。
3. 技術と実用性を評価する
価格だけでなく、実際のブロックチェーン技術や使用用途(ユースケース)に注目してください。長期的な価値は実際の利用シーンの拡大によってもたらされます。
4. 分散投資の原則を忘れない
仮に保有していても、資産の大部分をパイネットワークに集中させるのはリスクが高すぎます。暗号資産投資を行う場合は、複数の銘柄に分散させることが基本です。
5. DYOR(Do Your Own Research)
最終的には自分自身で調査・研究することが大切です。誰かの言葉を鵜呑みにするのではなく、自分自身の責任で判断を下すための知識を身につけましょう。
怪しい草コインに惑わされない。知識武装で身を守る

パイネットワークに限らず、暗号資産の世界では情報と知識があなたを守る最大の武器となります。以下のアクションを今日から始めてみませんか?
1. 暗号資産の基礎知識を学ぶ
いきなり投資を始めるのではなく、ブロックチェーン技術の基本や暗号資産市場の特性について理解を深めましょう。無料のオンラインコースや書籍など、学習リソースは豊富にあります。
2. 複数の情報源をチェックする習慣を
SNSの情報だけでなく、専門メディアや公式発表、技術者のブログなど、多角的な視点から情報を収集する習慣をつけましょう。特に批判的な意見も積極的に聞くことで、バランスの取れた判断ができるようになります。
3. コミュニティに参加する
暗号資産について議論するオープンなコミュニティに参加することで、さまざまな意見や視点に触れることができます。ただし、特定のプロジェクトに偏ったコミュニティでは、批判的な意見が排除されがちなので注意が必要です。
4. 投資判断のフレームワークを持つ
何を基準に投資判断をするのか、自分なりの評価軸を持ちましょう。技術性・実用性・チーム・コミュニティ・市場動向など、多面的な観点から評価できるようになることが目標です。
5. 実践的な経験を積む
少額から始めて、実際の取引や保有の経験を通じて学ぶことも大切です。ただし、最初は「学習コスト」と割り切って、損失を受け入れられる金額で始めることをお勧めします。
まとめ:パイネットワークから学ぶ暗号資産投資
パイネットワークは2025年2月20日に正式に上場を果たし、複数の取引所で取引が開始されました。長い待機期間を経て、ついに市場の洗礼を受けることになったこのプロジェクトからは、暗号資産投資における重要な教訓を学ぶことができます。
「タップするだけで億万長者」という甘い言葉に惹かれるのではなく、技術的な実態や市場の現実を冷静に見極める目を養うことが、この変動の激しい市場で生き残るために不可欠です。
上場したからといって、すべての疑問が解消されたわけではありません。むしろこれからが、パイネットワークの真価が問われる正念場と言えるでしょう。実用性の拡大、技術的な透明性の向上、規制への対応など、乗り越えるべき課題は山積みです。
私たちユーザーや投資家は、過度な期待や恐怖に流されることなく、事実に基づいた冷静な判断を心がけるべきです。「次のビットコイン」を探すよりも、自分自身の投資哲学と知識を磨くことこそが、長期的な成功への道となるのです。
暗号資産の世界は可能性に満ちていると同時に、リスクも大きい世界です。パイネットワークの事例から学び、より賢明な判断ができるよう、今日から一歩を踏み出してみませんか?
あなたの暗号資産の旅が、知識と冷静な判断に支えられた実りあるものになることを願っています。
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